2022年11月26日土曜日

12月の営業日のご案内

 12月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

5日は営業日ですが、外の販売のため店の販売はお休みにいたします。

年明け1月は、5日より通常通りの営業になります。

よろしくお願いいたします。



2022年10月30日日曜日

11月の営業日のご案内

 11月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

よろしくお願いいたします。




2022年9月24日土曜日

「ありがと書店」伊藤さんとの6回目往復書簡

 井上さん

 先日、車移動していると 目の前を猿の一家が横切っていきました。総勢10匹程で、食べ物を探しに山を降りてきたようでした。                        先に、すばしっこそうな2匹が様子をうかがいにきていて、少し経ってから体格の良いボスらしき猿と子猿を2~3匹背負った猿がゆっくりと畑に向かって行きました。背中にしっかりとしがみついている子猿と、そのことを当然として食べ物(生きていかないといけませんから)を目指している親猿の姿は 家族のあり方の基本そのものでした。 日本の昔話に猿が登場しますが、とても近い存在だったのだろうと実感した出来事でした。

出会うことで心が動いたり、想像の喜びを感じることができたり。体験する前には無かった感覚が、体験した後に芽生えているというのは、とても不思議です。                                       以前(もう随分前になりますが)、井上さんから「心が動いたことが核となって、それはどんどん大きくなっていく」といったお話を聞いた時、ピンときていませんでした。しかし、その後『季刊 子どもと本』を通じて出会った本で、何ともいえない優しさや美しさや力強さのようなものが心を覆った体験は、ずっと消えません。本だけでなく自然や食べ物でも同じくらい心、動かされるものに出会ったとき、その中心部分が太くなるような感じがします。往復書簡の1回目のお返事にある「読み続けてきた本が、見えないところで力になってきてくれている」ということが、ようやくわかってきたように思います。 たくさんの情報があるなかで、五十代で子どもの本やさんに出会われたり、セミナーに参加される方がおられることは、奇跡のように思います。豊かな自然や文化も残そうとしなければ一瞬にして無くなってしまいますから、出会うことのできた自分は、しぶとく、できることをやっていきたいと思います。

今度、小学校の2年生と保護者さんたちへ、本のことをお話しする機会を頂きました。 現代の日本の家庭環境は様々です。私は以前、夜間保育と昼間の保育を併設した保育園に勤めていました。保育園の開園時間は7:00~26:00。登園してくる時間も帰る時間も様々。家庭環境も様々。そこでとても大切にされていたのは『環境』でした。                職員の立ちふるまいもですが、置かれている物・使う道具などはシンプルでかつ美しいものをということを考えて用意してありました。そんななかで過ごす子どもたちは、ひとつずつ感覚や感性を自分のものにしていき、生きる力にしているようでした。

 小学2年生ともなると、もうしっかり自分の好みを自覚していますから、全くつまらないものには見向きもしないでしょう。今度 逢う 子どもたちがどんな幼少期を過ごし、どんなお話に出会ってきたのか想像しながら当日のことを考えています。今からとても楽しみです。

 子どもの本やさんの近くには小学校がありますが、今年の夏休み、本屋さんへやってくる子どもたちの様子はいかがでしたでしたか?教えてください。

                                 2022年9月5日

                                    伊藤寛美



拝復                                        伊藤さん 6回目の往復書簡のお手紙をありがとうございました。猿の一家に遭遇され、日本の昔話に猿が登場し、とても近い存在だったのだろうと実感したと書いておられました。「日本昔話百選」(三省堂)の中の「狼の眉毛」は好きな話のひとつなのですが、それを読むと、動物と人との関係が今よりもっと近かったのだろうと感じます。狼が「お前は真人間じゃ。」と言って助けてくれるのですが、実際はそういったことはないでしょう。しかし、そういったこともありえるという関係(心と心との)だったのだろうと思われ、そこに生きていくことの望みのようなものが伝わってきます。

 この夏、「ともしびをかかげて」(ローズマリ・サトクリフ)を20年ぶりぐらいに再読しました。読み終え、人に対し自分に対し正直に誠実に生きる人としての道を、サトクリフを含め読んできた すぐれた作家より学んできたのだと改めて強く思いました。私はこのような人達に出会いたいため、そこに喜びを感じながら、本を読んでいるのだと思います。

 来店されたお客様との会話の中で、子どもがいつごろから字を書くようになったかという話になりました。息子は読むのも書けることも全くなく小学校に入学したのですが、今日はこの字を習ったと嬉しそうに毎日言っていたのを思い出しました。知らなかったことを知った喜びを感じていたのですね。その後 息子のペースと授業のペースが合わなくなり、喜びの声も出なくなりました。今、子どもの世界を見ると、喜びに出会う機会が少なくなってきているのではと思います。大人が前もって準備をして子どもに出会わせるため、初体験で感じる喜びが失せてしまっているのではと。喜びを感じることを、大人が奪ってしまっているのかもしれませんね。

 今年の夏休みは猛暑とコロナで親子での来店が少なかったです。それでも何組かいらしてくださり、子どもたちのおしゃべりにずいぶんと和まされました。

8月末に高校3年生のK君がバイトの前に「まだ、お店があるかと思って。」と寄ってくれました。「まだ続けてるよ。K君に子どもが出来たら買いに来てね。」と言うと「来るよ。」と言ってバイト先へと走り出しました。「2歳半からでいいからね。」と走って行くうしろ姿に声をかけると、立ち止まり手を振ってくれました。 K君とは彼が小学校1年生の時 出会い、4年生の時 友人と本を聴きに来てくれたこともありました。1冊読み、次は少し寂しい本がいいという注文に、「赤い目のドラゴン」(リンドグレーン文)を読みました。読み終わると感想をそれぞれ言ってくれK君は「ぼくも大人になったら このように家を出ていくのだろうね。」と言い、ドラゴンの方に気持が重なったんだなと思ったことでした。 K君の子どもが2歳半になるまで続けなくてはと思った この夏でした。


                                2022年 9月19日

                                    井上良子


過去の往復書簡の掲載案内                             

1回目 2021年6月23日

2回目 2021年8月20日

3回目 2022年2月5日

4回目 2022年5月25日

5回目 2022年8月15日

「ありがと書店」さんホームページでもご覧いただけます。

10月の営業日のご案内

 10月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

よろしくお願いいたします。



営業時間 10:30~17:30

電話番号  092-552-1651

      050-1440-7784(店から電話をおかけしますと、

                  この電話番号が表示されます)











 







   

2022年8月28日日曜日

9月の営業日ご案内

 9月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

よろしくお願いいたします。




2022年8月15日月曜日

「ありがと書店」伊籐さんとの5回目の往復書簡

井上さん

先日、東京で子ども文庫の会のセミナーに参加しました。                                     

 セミナーは 全5回です。そのうちの2回に加わりました。1回は、参加者が各々 絵本を持ち寄り、紹介し、感想を伝え合い さらに似た他の本と読み比べていくというような内容で、もう1回は『日本昔話百選』の中からいくつかの昔話を読んでいくというものでした。    福岡の子どもの本やさんで不定期にやっていただいたおはなし会と同様、1冊1冊をひもといていき、本のというか、文章のあり方が読む側にもたらす影響力を実感し、本、本来の楽しさを知ることができる時間でした。なかでも、印象深かったものは                          『ピーターラビットのおはなし』です。

今回このピーターラビットのシリーズは、訳者、出版社が変わって新しく出されていますが、その新しいものと、それ以前の訳者のものとを それぞれ読んでいったのですが、全くといっていい程、違うものになっていました。以前のものにある、物語中の、時々 感じることのできるユーモアから湧き上がる余韻が、新しい方には全くありません。とても驚きました。こんなに違うものに変えてしまうことができる出版社や訳者に腹も立ちました。   

そして、これから この新しい『ピーターラビットのおはなし』にであう子どもたちは、大人になっても思い出すことはないだろうと思います。

昔話にも同じことがありますよね。

以前、子どもの本やさんでも比べ読みで体験していましたが、今回のセミナーでも改めて。口頭伝承で長い年月をかけて語られてきた昔話を、再話で創ったものには 心に残るものがすっかりけずり落とされ、面白味がなくなってしまっているという。

再話されたものを読み終わった後の 後味の悪さをそしゃくするのに時間がかかることになりました。 

 セミナーに参加して思うのは、子どもたちのやわらかい感性を質の悪い文章や言葉で固めてしまうことの罪深さです。

今の自分には全く力が無いことも痛感します。

セミナーには気付きががあり、貴重で豊かな時間です。

子どもの本やさんの勉強会にも 又、参加します。

よろしくお願いします。

                                 2022年7月23日                  

                                    伊藤寛美



拝復

伊藤さん 5回目の往復書簡のお手紙をありがとうございました。              ご主人が監督をされた「おれらの多度祭」上映のことで2ヶ月東京に滞在をされ、その間 子ども文庫の会の初級セミナーに参加もされ、東京での生活を満喫されましたね。      お手紙を拝読し、本の奥深さに改めて心を動かされ、伝えることの大切さと難しさを感じられたのが伝わってきました。

  月に一度いらしてくださるお客様(女性)が、表紙が見えるよう並べていた棚の「あひるのピンの ぼうけん」を見られ、「小学一年生の時 先生が『シナの五にんきょうだい』を読んでくださいました。その絵と同じですよね。」と懐かしそうにおっしゃってました。五十代の方ですが、残っておありなのですね。本(文学)と出会うって、こういったことなんだなとお話を聞きながら思いました。すぐ結果や形としては出ないけど、心の中心の所に入り、豊かな思い出として満たされるものなのですね。

 昔話は口承文芸なので口づたえに耳から入り、聴き手が想像を膨らませていく。なので、昔話の約束ごとに 語りは簡潔であり 話は前へ前へ進んでいくとあります。しかし、再話の中には くどくどとしたものもあります。そういった説明的な再話を好まれる方もいます。想像していく楽しさよりも、説明されることの方を好むということが。すぐれた絵本や本はすべてを語らず、読み手 聴き手を信じ任せています。そういった本よりは想像する余地のない本を選ぶ人が増えてきているように思われ、危惧しているところです。想像する喜びが奪われてきているように思われます。なので、100年後に想像の喜びを感じさせてくれる、M・センダック、E・ファージョン、J・R・R・トールキン、A・ランサム、R・サトクリフ、I・B・シンガー、J・エイキン、F・ピアスなど 私の大好きな作家の本を読めるよう残していくこと。さて、どうすればよいか。答えは子どもです。子どもにそれらの作家の本に出会ってもらう。そうするには、お母さんお父さんです。両親が(どちらかでも)本が好きだったら子どもは読み続けていきます。

お手紙に「今の自分には全く力がないことも痛感します。」と書いてありましたが、踏み出していかれてください。小さなことからでも。結果はすぐには出ません。しかし、気持ちを伝える(出す)行動をされてください。 100年後の子どもたちのために


                                  2022年8月2日 

                                     井上良子


過去の往復書簡の掲載案内

1回目 2021年6月23日

 2回目 2021年8月20日

 3回目 2022年2月5日

 4回目 2022年5月25日 

「ありがと書店」さんホームページでもご覧いただけます。

2022年7月30日土曜日

本のご案内

 「てぶくろ」

           エウゲーニー・M・ラチョフ 絵  福音館書店 1,100円(税込)

  おじいさんが落としたてぶくろの中に、次々に動物たちが入っていきます。動物たちの

  てぶくろに入れてもらう際のやりとりの繰り返しが、面白く耳に快く響きます。

  ウクライナの現状を子どもに語るのは難しいことですが、このおおらかなウクライナの

  民話を楽しむことは、心を向けることになるのではと思います。



草花・葉っぱ・木の実で作る 自然遊び入門」

                      山田辰美  静岡新聞社 1,650円(税込)

  ツバキのお雛さま(春)、シュロのバッタ(夏)、柿の葉人形(秋)、松ぼっくりの

  馬(冬)等々、四季の身近な素材で、楽しく愉快なものを作り紹介している本です。

  本を見ているだけで楽しさが伝わってきますが、作るともっと楽しいことでしょう。

  夏休みにお子さんと一緒に作ってみられませんか。




8月の営業日のご案内

 8月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

よろしくお願いいたします。

15日はお休みさせていただきます。






2022年6月26日日曜日

7月の営業日のご案内

7月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

よろしくお願いします。

 

2022年5月29日日曜日

6月の営業日のご案内

6月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

よろしくお願いいたします。



2022年5月25日水曜日

「ありがと書店」伊籐さんとの4回目の往復書簡

 井上さん

『季刊 子どもと本』第168号、拝読しました。

私が山本まつよさんにお会いしに代々木の事務所へ伺いましたのは2013年、『季刊 子どもと本』を勉強し始めて1年ぐらいの頃です。

その時期、東京へ行くことがあり、地図の右も左もわからないなか、夫の「ご迷惑かもしれないが、この機会にダメもとでお訪ねしてみた方がいいんじゃないか?」という言葉と、事務所へ伺う直前に井上さんにお電話した際、井上さんがお聞かせくださった山本さんのご体調を心に留めながら、『季刊 子どもと本』に掲載されている住所を頼りに訪ねさせていただきました。図々しく押しかけた割に、到着した時の私はかなり緊張しており、その様子に戸惑われたと思うのですが、青木さんが応対してくださり、奥の部屋へと案内してくださいました。

お部屋にはいると山本さんがいらっしゃいました。

福岡でちいさな絵本屋をやっていることや、『季刊 子どもと本』で子どもの本のことを勉強しているというようなことをお話させていただいたと思います。山本さんとは二言三言、言葉を交わさせていただいただけではありましたが、そのときの、山本さんのお使いになる日本語の響き、そのトーンの美しさは、今でも忘れられません。

その声で文庫の子ども達が本を読んでもらったり、お話を聞いてもらったりしているというのはとても豊かで贅沢な時間に違いないと、うらやましく感じながら事務所をあとにしたことを憶えています。

追悼文からは、山本さんが子どもたちから発見し、示し続けてこられたものが継承されているのを感じました。

いま、リリアン・H・スミス 著 石井桃子/瀬田貞二/渡辺茂男 訳の『児童文学論』(発行1964年 岩波書店)を読み終えたところです。原書は1953年に発行されています。そのなかに「子どもはおとなの父」という言葉がありました。

『季刊 子どもと本』創刊号では山本さんが「この世界で私たちの案内役は、子どもをおいてありません。ですから大人は、いつも謙虚に子どもたちと向き合い、子どもから学べばいいのです。」と教えてくださっています。

まつよさんが書かれているように「謙虚に子どもたちと向き合う」ということはとても難しいことですが、井上さんの話してくださる経験談や、子どもと本で紹介されている文庫に来る子どもたちの様子を知ると、肩の力が抜け、子どもたちの感性のたしかさを再確認し、やはり子どもたちのそばには上質な本があるべきだ、との思いを未熟なりに強くさせていただいております。

山本まつよさんから受け取られたことを、私は井上さんにたくさん教えていただいています。そこで、改めてお願いしたいのですが、ぜひ、この往復書簡にそのなかのひとつだけでも書いていただけませんでしょうか。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 2022年4月5日

 伊藤寛美


伊藤さん

4回目の往復書簡のお手紙をありがとうございました。

山本まつよさんにおしえていただいたことは たくさんありますが、特に 私の中で大きかったことを書きます。

私が山本さんに初めてお会いしたのは、福岡での第2回目のセミナーがあった1983年8月です。初級セミナーの「絵本」は受講生が好きな 気になる絵本を持ち寄り、その中からと東京よりお持ちくださった絵本から数冊を山本さんが読んでくださってました。持ち寄りの一冊に「しろいうさぎとくろいうさぎ」があり 読んでくださってから「お好きな方?」とお訊ねになりました。私も含め何人もの人が手をあげました。「どこがお好きですか?」という問いにある方が好きなところや感想など言われ、その方と山本さんとのくり返されるやり取りから、私がこの絵本が好きなのは、私の中にあるセンチメンタルな感情からくるものなのだということがはっきりとわかりました。自分の中にセンチメンタルな感情があることに気づいた瞬間でした。

 それまでに読んでいた本の中にもセンチメンタルな本があり、それをよしとしていたのは内容ではなく、それに涙する自分に酔っていたのだと気づきました。 その後 たくさんの本を読んでいく中で 今ではセンチメンタルなところでは本は読めない、本質に辿り着けないと はっきり わかります。

 もうひとつは、1985年6月の第1回目の熊本セミナーに参加をし、質問をしたことです。娘が1歳9ヶ月になっていて、2歳半前でも楽しめないかとしつこく質問をしました。最後に山本さんは「あなたがそう思われるのでしたら そうなさったら。わたくしはいたしませんけど。」と仰いました。山本さんは そうされないんだ、やはり意味のないことなのだと感じ すとんと落ち、ぐちゃぐちゃしていたことがすっきりしたのを覚えています。

現在までの我が子を含め 子どもとの関りから、何と拙い質問をしたのかと恥ずかしいです。その愚かな質問にも山本さんは まっ正面からきちんと向き合い答えてくださいました。

自分の中にあったセンチメンタルの気づきと、子どもが本(文学)と出会える年齢は2歳半からであることの確信。基盤となり これまで進んで来られています。

 本屋を始める時 山本さんが、「細くでいいから長く続けること。」と仰ってくださいました。長く続けることの意味の深さと大切さを経てきた歳月とともに重く感じています。

 ご存命の時より一層 山本さんを近く感じます。それだけ大きな深いものを 私の中に残していってくださいました。仰った時には気づけなかったことを時を経て、こういうことかと思うことがよくあります。

未熟な生徒を突き放されず厳しく温かく根気よく導き続けてくださいました。どれだけ それに応えることが出来るかわかりませんが、山本さんの 子どもへの 子どもの本への思いをみなさんに伝え、「季刊 子どもと本」で 取り上げてある質のある本を、次の世代に一冊でも多く残していけるよう やっていけたらと思っています。

 2022年 5月4日

 井上良子


過去の往復書簡の掲載案内

1回目 2021年6月23日

 2回目 2021年8月20日

 3回目 2022年2月5日

「ありがと書店」さんホームページでもご覧いただけます。

2022年4月29日金曜日

5月の営業日のご案内

 5月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

営業時間は 10:30-17:30 に変更になっています。

駐車場は、店の隣の駐車場29番です。

よろしくお願いいたします。





2022年3月27日日曜日

本のご案内

「 くんちゃんのはじめてのがっこう」  ドロシー・マリノ作 ペンギン社 1045円

子どもたちが大好きな”くんちゃんシリーズ”の一冊です。こぐまのくんちゃんが

一年生となり学校に行きます。道々、くんちゃんは出会ったみつばちやこうもりや

ビーバーに学校に行く喜びを伝え、スキップをしながら行きます。でも、いざ学校に

着いてみると…。はじめて学校に行く喜びと不安があたたかく描かれています。

先生が素敵です!

 

「ぼくにげちゃうよ」  マーガレット・W・ブラウン ほるぷ出版 1320円

ある日、家を出てどこかへ行きたくなったこうさぎは「ぼくにげちゃうよ、○○に

なっちゃうよ。」といいます。するとお母さんがその都度いろんなものになり、

そばに来てくれます。お母さんがいつも温かく見守ってくれる、見つめていてくれる

ことが、子どもにとって一番幸せで嬉しいことなのですね。

4月の営業日のご案内

4月の営業日のご案内です。

黄色の枠の日にちです。

今月より、営業日・営業時間が以下の通りになります。

営業日   月・火・水・木 及び第3土曜日、翌日日曜日

営業時間  10:30~17:30




2022年2月26日土曜日

3月の営業日のご案内

 3月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

     ご案内

  営業日及び営業時間

  一部変更のお知らせ

4月より第1土曜日・翌日曜日は休みといたします。

営業時間は 10:30~17~30 に変更になります。

何卒よろしくお願いいたします。




2022年2月5日土曜日

「ありがと書店」伊籐さんとの不定期往復書簡 第3回目

井上さん

本を届けるときに、どんなお子さんなのかを感じるということは、難しいことですが、大事だなと思います。お子さんの表情などから、あっ今、受け止められているなと実感したら、次はこの本を!と前のめりになってしまうのですが、そのままつきあってくれて次の本をたのしむ子もいれば、一冊の余韻をじっくり味わいたい子もいるようで、反省することばかりです。

3年ほど前のこと、5歳の男の子とお母さんがいらっしゃいました。店先の本を見て「てぶくろ」や「かいじゅうたちのいるところ」がおうちにあるというお話をお母さんがされているうちに男の子が「どろぼうとおんどりこぞう」に興味をもったようだったので、「読みましょうか」と二人にお読みすると、お二人ともおはなしにしっかり入ってらっしゃって、どろぼうがだまされていっているところもくすくすと笑ってあり、楽しまれてることがよくわかりました。その日はそのまま帰られたのですが、1か月後に、あの時読んでもらった本を買いに来ました、とまた二人で来店くださいました。その後、再びいらした際は、お食事をされただけ(当時、お店でパンケーキなどのお食事を用意していました)だったのですが、そのお食事中にも二人で本の話をされていて、この男の子の生活の中に自然に本があるのを感じました。

遊び道具だったり、しつけの媒体だったりと本が道具のように扱われ、心の豊かさとは違うところで存在してしまっていることを考えることがあるなかで、この男の子が本とであう喜びを知っていることを感じ、嬉しくもありうらやましくもありました。

男の子は、はじめてお店に来たとき、はじめは不安そうな表情をしていたのですが、いろんなことに興味をもっていて、ひとつひとつ訊ねてこられ、ひとつひとつわかっていくと、満足した表情になっていって、とても賢い子だなという印象でした。次に来店した時には、勝手知ったる我が家のように落ち着いて椅子に座り、お食事もたのしんでいた様子でした。そんな、経験ひとつひとつを真摯に受け止めて、自分の体験として積み上げていくことのできるお子さんだったからこそ、「どろぼうとおんどりこぞう」にながれる、覚悟をもって行動をおこし、行動を乗り越えた先ににじみでるユーモアまでをもたのしめたんだろうと思います。

その後も母子であそびにいらっしゃいますが、本を購入されることはありません。

でも、あのとき購入した本を何度も読んでるんですよ、と伝えてくださいますから、その子にとって大切な一冊ができたということなのだと思います。

私の好きな本は変化しています。

本に質があることを知り、心の動き方の違いを感じることが、本の楽しみ方のひとつになっています。以前は、はやりの推理小説や感傷的なものを好んで消耗品のように読んでいました。いまでも時々読みたくなりますが、これは、無性にインスタントラーメンが食べたくなるのに近い感じです。

10年前「季刊 子どもと本」に紹介されている本を創刊号の「うさこちゃん」から読んでいくうちに「日本昔話百選」に出会い、はじめてこの昔話を読んだ後の安堵感は忘れられません。

特にどの話が好きというのはないのですが、滑稽話や人情噺のなかに生きているひとや動物はずっとむかしからあり、変わらず、その時代のおじいさんやおばあさんが語ってくれていた、ということを想像すると、命の根っこが伸びていく感じがします。

古典といわれなお現在にも残っているお話は、多かれ少なかれ、そのようなものだと感じています。

これまでにも、昔話は聞かされていましたが、まったく別物だったことがわかり、幼少期にこの本当のところにある、力のあるおはなしを聞かせてもらっていたら、随分、自分の生き方は変わっただろうと思ったことでした。

この本で、昔話を知ることができた子どもたちは、幸せだと思います。

井上さんはどうですか。好きな本の変化はありましたか?

また、こどもたちのエピソード、教えてください。

                                   2022.1.15

                                    伊藤寛美


伊藤さん

3回目の往復書簡のお手紙をありがとうございました。

拝読をし、すてきな親子に出会われたのだと思いました。一つ一つのことをゆっくりと楽しみながら味わってある親子さんですね。

これからも「どろぼうとおんどりこぞう」に接する度に温かな思い出がよみがえってこられることでしょう。

「日本昔話百選」に触れてありましたが、私も「日本昔話百選」の特に「花咲爺」を読んだ時、心が動かされました。私が子どものころ読んでた「花さかじいさん」は犬のポチが出て来、「ここほれワンワン」と言う印象しか残っていず、「日本昔話百選」の中に流れている人と犬との情愛を全く感じられませんでした。人が犬のことを思い犬が人のことを思う心に、それを感傷的ではなく淡々と語っていることに、だから心に入って来るのでしょう。この昔話を子どものころ読めていたら人生をもっと楽に生きて来られたのではと思いました。

昔話の持っている力を感じたはじまりだったと思います。

子どものことで思い出すのはドロシー・マリノのくんちゃんシリーズが好きだった年中後半か年長のころの男の子のことです。店を始める前に自宅で不定期に本屋をしていた時期があり、近所だったその子がお母さんと来てくれて くんちゃんの本を買って行ってくれました。その夜、お母さんから電話があり「今、今日買ったくんちゃんの本を読んだんだけど、他にもくんちゃんがあったからおばちゃんに取っといてと言ってと言うので。」と。 そのお母さんの声の後から「くんちゃん くんちゃん」と言う声がしたのをはっきり覚えています。

その子も もう40歳前になっています。その後 引越しをしたので 今、どうしているかはわかりませんが、子どもがいたら読んでやっているのかなと思ったりします。

好きな本の変化になるかわかりませんが、「三びきのやぎのがらがらどん」のよさを最初 全くわかりませんでした。娘に読み その後息子に読み 文庫の子たちに読み、それらの子ども達から この本のすばらしさをおしえてもらいました。この絵本が どれだけ自分達の力になっているかを、言葉ではなく繰り返し聞きたがり、聞いた後の満足顔からです。数年前 店に小学1年生の男の子が入って来「やぎの絵本 読んで。」と。「三びきのやぎのがらがらどん」と訊くと、「そうそうそれ。」と。読んでやると嬉しそうに また外に遊びに行きました。そして何日かしてやって来「三びきのやぎのがらがらどん」を読みました。その子は 保育園に行っていたので そこで 読んでもらったのでしょう。それが印象深く残っていたのでしょう。ご近所なので お母さんとは挨拶する程度ですが、このお母さんは この子がこれほど この絵本を好きなのをご存知ないのだろうと思ったりします。毅然としてあるお母さんですが、本に関しては全く興味のない方のようなので。

 前にお話したことですが、ここでも書かせてください。今、年長の女の子が「ぜいたく」という言葉をある時 聞いて来、お母さんに「私のぜいたくはね、○○ちゃんとびわの木に登り びわを次々と食べること」と言ったとのこと。そのお友達の家は高台にあり そこに びわの木があるそうです。そのお話を聞いた時 子どもってすごいなと思いました。ぜいたくの本質を的確に捉え 感じられる人達なのですね。大好きな友達と大好きなびわを思い切り食べられること。それも 少し高い見はらしのよい所で。それがぜいたくだと。

その子とは 2度 会いましたが 話はしていません。でも、その子を感じることは出来ます。どんな子なのかを感じるというのは外面ではなく 内面なのではないでしょうか。会っていなくても 話をしたこともなくても その子の内面の心に出会う、それが感じるということなのではないでしょうか。

 1回目の往復書簡で「季刊 子どもと本」のことに触れてくださってますが、その「子ども文庫の会」を創り「季刊 子どもと本」発行をはじめられた 山本まつよさんが 昨年11月27日にお亡くなりになられました。98歳でした。

「季刊 子どもと本」最新号第168号は一部 追悼号となっており、9人の方が文を寄せてくださっています。文を拝読し 9人の方が 山本まつよさんが投げかけられたことを心の中心で受け取り 温めて生きておられるのを感じました。

伊藤さんも一度 お会いになられてますよね。その思い出とともに お読みになられてください。

                               2022年 1月31日

                                     井上 良子


 

2022年1月30日日曜日

2月の営業日のご案内

 2月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

よろしくお願いいたします。



【ご案内】

勝手ながら、下記のように一部、営業日と営業時間を変更させて頂きます。

4月より、第一土曜日とその翌日曜日は、休みといたします。

及び、営業時間を10:30~17:30に変更いたします。

営業日以外で、ご希望がございましたら、お電話でお問い合わせください。

以上、よろしくお願いいたします。

                  子どもの本や  092-552-1651


2022年1月1日土曜日

1月の営業日のご案内

 明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

1月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。