1月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。
よいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。
12月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。
今月の営業日は変則になっています。
19日は(火)休みます。
営業時間は、10:30~17:30 です。
駐車場は、店の隣の30番です。
よろしくお願いいたします。
9月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。
よろしくお願いいたします。
過去の「ありがと書店」さんとの往復書簡をご覧ください。
過去の往復書簡の掲載案内
1回目 2021年6月23日
2回目 2021年8月20日
3回目 2022年2月5日
4回目 2022年5月25日
5回目 2022年8月15日
6回目 2022年9月24日
7回目 2023年1月15日
8回目 2023年6月24日
「ありがと書店」さんホームページでもご覧いただけます。
「ありがと書店」さんホームページ
https://prayer.jimdosite.com/
尚、店の駐車場は 30番 に変更になりました。
井上さん
8回目の往復書簡になります。
今、私は保育士資格の勉強をしています。
その中には子どもに関する法律も含まれています。
今年の4月1日からは「こども基本法」が施行されました。
この法律は「児童の権利に関する条約」(1989年に国連にて採択)を基本としているとのこと。この条約の規定には次のような文言があります。
「(略)児童が社会において個人として生活するため十分な準備が整えられるべきであり、かつ、国際連合憲章において宣明された理想の精神ならびに特に平和、尊厳、寛容、自由、平等および連帯の精神に従って育てられるべきであることを考慮し、(略)」(前文より)
「締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢および成熟度に従って相応に考慮されるものとする」(第12条 意見の表明)
というように、子どもたちの権利が明記されています。
これらの法律を勉強するにつれ、このような約束ごとを作り、守る側の大人が、平和、尊厳、寛容、自由、平等、連帯の精神を忘れがちなのではなかろうかと、冷汗が出ます。
この条約が国連で採択されたのが1989年。それまでにも日本独自の子どもに関する法律はいくつもあったなか、子どもの権利が明記されたのはここ数10年のこと。文学の世界では100年も前から、子どもの想像性や創造性に寄り添い子どもたちと謙虚に向き合われた作り手の本がいくつもあります。
本の歴史と子どもに関する法律の歴史とを平行してみると、時代の中で子どもたちの環境が大人にどれだけ翻弄されていることかと頭をかかえてしまいます。そしてやはり、昔話や古典といわれ読み続けられている物語を大人が知ることがどんなに重要かということに思い至ります。
先日 ご案内をいただきました映画の上映会はいかがでしたでしょうか。
教育哲学者で、全国各地の小学校を回られ、対話的な授業実践をされ、「授業・人間について」の著者である 林竹ニ氏 のドキュメンタリー映画だったそうで、私も1度拝見したことはあったのですが、映画中の子どもたちの授業に集中している様子は忘れられません。
映画は1977年の小学校の授業風景なので、参加された方の中にはとても遠い昔の違う世界のように感じられた方もいらっしゃったのではないでしょうか。でも、この映画のなかの子どもたちの様子は、本屋に来た時にとても興味のある本に出会ってよんでいる時の彼らと同じですよね。
今回は参加できませんでしたが、又 見たい映画です。
伊藤寛美
2023年5月21日
伊藤寛美 様
拝復
梅雨に入り、雨にうたれて 紫陽花が美しいですね。
伊藤さん、8回目の往復書簡をありがとうございました。
保育士資格の勉強中なのですね。お手紙を拝読し、守られるべき 子どもの権利を改めて考えさせられました。書いていらしてたように、これらの法律と現実とが相俟っているのかと、 おおいに疑問に感じます。
最近の改正入管法の成立をみても、人権尊重の観点からほど遠い国なのだと思います。人権が外国の人達とともに日本人に対しても守られていない。人権という言葉はあるがそれが生活の中に根付いていない国なのだと思います。悲しいですし恥ずかしいです。
今月9日に校区の小学3年生13人と先生お2人が、「町じまん」? の授業で店に来られました。昨年11月(2年生の時)に「もっと なかよし まち たんけん」で来てくれた子も中に2人いました。本屋の思いを話し、いくつか質問を受けました。「どうしてこの校区で本屋をしようと思ったのか?」「どうして『子どもの本や』なのか?」という質問もあり、昨年2年生の時より一歩踏み込んでいる気がし、半年間の子どもの成長に驚きを覚えました。
現在 復刊中の「せんろはつづくよ」(M.W.ブラウン文 J.シャロー絵)を読み、こういった本がいつでも買えることが願いです と話しました。本屋の案内に書いている「ドリトル先生」「メアリー・ポピンズ」を心の友として出会ってくれることも願いであり、子どもの気持(大人から見た子どもの気持ではなく)がきちんの語られている本に出会ってほしい、それが質のある本だと思うと 話しました。 その後 店に来られた方が 質のことは難しかったのではと言われましたが、昨年の2年生 女の子の「本をよむとふいんき(雰囲気)があることをしりました。」の感想が、伝えたい思いを後押ししてくれたのだと思います。
11日は 林竹ニ「授業三部作」の三作目、那覇市久茂地小学校6年生での授業「開国」の上映会でした。
5年前に初めて見、前ニ作品(「ビーバー」「アマラとカマラ」)以上に衝撃を受け、授業の質の高さを感じました。授業の後、高揚感の中 感想を述べている子どもたちが印象深く残りました。私も授業を受けている感覚だったのです。今回は俯瞰し 見たような気がします。日本の開国を歴史の年表や事柄だけでは感じられない、その時代が持っている空気や関わった人達の体温が感じられ、その上で日本の開国があったことが他人事ではない身近なこととして入ってきました。その歴史の線上に今の日本があり、その中で私達が生きていることの意味を感じます。
この子たちは この授業を一生忘れないだろう、そして沖縄に住んでいることの重要さを年月を経るとともに感じるのではと思いました。
知性を全体に感じる映画です。林先生が語られる知性と、林先生によって子どもたちが持っている知性が引き出されています。苦しみ もがき考えている子どもたちの顔は とても美しいです。
林先生の授業の映画(書籍も含めて)で語られていることと、「子ども文庫の会」の山本まつよさんが子どもの本を含め仰ってたことは同じです。
それは本質を見ていくことです。
本質とは遠いところで話されることに、心を寄せてしまう人が多いのを感じています。本質と向き合う苦しさではなく、心地よく入ってくることに心が向くのでしょう。伝えきれないもどかしさと力のなさを感じています。それが私の今の課題です。グループ現代撮影の林先生のあとニ作品「教育の根底にあるもの」「田中正造の最後の戦い」を見た後、何かしらの課題解決の糸口が見つかるかもしれません。
「教育の根底にあるもの」は10月上旬予定です。ぜひご覧ください。
2023年6月14日
井上良子
過去の往復書簡の掲載案内
1回目 2021年6月23日
2回目 2021年8月20日
3回目 2022年2月5日
4回目 2022年5月25日
5回目 2022年8月15日
6回目 2022年9月24日
7回目 2023年1月15日
「ありがと書店」さんホームページでもご覧いただけます。
「ありがと書店」さんホームページ
https://prayer.jimdosite.com/
5月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。
よろしくお願いいたします。
店の駐車場は、店の隣の29番です。
「ありがと書店」さんとの往復書簡、掲載しています。
過去の往復書簡の掲載案内
1回目 2021年6月23日
2回目 2021年8月20日
3回目 2022年2月5日
4回目 2022年5月25日
5回目 2022年8月15日
6回目 2022年9月24日
7回目 2023年1月15日
旧知の唐津の「べにばな薬局」さんがお声を掛けてくださり、
店舗にて下記の日時に、本の販売をさせていただくようになりました。
未来を担う子どもたちが、心も体も健やかに育ってほしいと
願ってある薬局です。本屋の根幹と重なります。
お越しをお待ちしております。
場所:べにばな薬局 唐津市南富士見町6-23
日時:3月25日(土) 13:00~17:00
井上携帯 090-9404-3557
べにばな薬局 0955-70-1881
3月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。
よろしくお願いいたします。
「ありがと書店」さんとの往復書簡、掲載しています。
過去の往復書簡の掲載案内
1回目 2021年6月23日
2回目 2021年8月20日
3回目 2022年2月5日
4回目 2022年5月25日
5回目 2022年8月15日
7回目 2023年1月15日
「ありがと書店」さんのホームページでもご覧いただけます。
https://prayer.jimdosite.com/
2月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。
2月1日(水)は勝手ながら休みます。
よろしくお願いいたします。
「ありがと書店」さんとの往復書簡、掲載しています。
過去の往復書簡の掲載案内
1回目 2021年6月23日
2回目 2021年8月20日
3回目 2022年2月5日
4回目 2022年5月25日
5回目 2022年8月15日
6回目 2022年9月24日
7回目 2023年1月15日
井上さん
先日、小学校へ行ってきました。 そこで小学2年の子どもたちと親御さんに本の紹介をさせてもらいました。 事前に、図書の先生に日頃 読んでいる本を伺い、当日は親御さんにも一緒にそれらの本を体験してもらうことにしました。
準備したのは「からたちの花がさいたよ」「かいじゅうたちのいるところ」「三びきのやぎのがらがらどん」。それとこちらから「赤い目のドラゴン」を用意しました。 どの子も図書室をよく利用しているのか、みんな楽しげな様子で、本の会が始まる30分も前に集まってくれていました。せっかくなので その時間に自己紹介もかねて好きな本をおしえてもらうことにしました。質がどうかはともかく、自分の好きな本をしっかりと伝えてくれている様にはたのもしさを感じました。親御さんにも同じように自己紹介をお願いしたのですが、いろんな本を読んでいますと あいまいな言い方だったり、本は読んでいないといわれる方だったりと、本との関わりの違いがはっきりしていました。会の後半で親御さんには本の質の違いをお話させていただいたのですが、その時のみなさんの感想には 自己紹介の時に伺った各々が持つ本の捉え方の違いに通じるものがありました。
そんな親御さんと子どもたちに向けて本を読んだ時、とても楽しいことがありました。それは、「からたちの花がさいたよ」から”お祭”を朗読し始めると 子どもたちが一緒に口ずさんでくれたのです。その様子に親御さんたちも私もおどろきました。と同時にそれもそうだと納得もしたのです。
今回「からたちの花がさいたよ」を読み返しました。その時、1ページからめくるのではなく、開いたページの詩を声に出して読みました。どの詩もテンポが良く、日本語のくり返しが心地よく韻をふんでいて、次から次に読みたくなりました。そして詩ひとつひとつの 景色が広がっていく感覚も、とても気持ちの良いものが残りました。 トン、コトリ。 もそよ、もそよ、 ほろんとしてる、 とんろん、 とっとっと、とっとっと、 ぽっ、ぽっ、ぽっ、ぽっ、 わっしょい、わっしょい、 すうすとけずろ。・・・・ 次々に出てくる表現からは、音、風、光、気配が感じられます。 これらの 詩が放っているものを 子どもたちはなんのてらいもなく受け止め体験できているんだと思います。 「からたちの花がさいたよ」(岩波少年文庫)の最後のページに“自分の童謡は日本の自然の智慧の祭”という一文があります。白秋の詩を読むと力が湧いてくるのですが、それはこの文にある自然の知恵が言葉のなかに秘められていてその恩恵なのだなと再考しました。
偶然、「季刊 子どもと本」の最新 第171号の表紙に白秋のことが紹介されていたのですが、これまでにも連載されている「白秋と子どもたちの詩」を又、読み返しています。
ところで井上さんは「からたちの花がさいたよ」の中でどの詩がお好きですか?私は「やさい」です。今、畑で じゃが芋や大根を育てているのですが、芽が土の上に出てきた時の愛らしさと重なって、読むと目尻が下がります。
2022年12月14日 伊藤 寛美
拝復 新しい年を迎えました。本年もよろしくお願い申し上げます。
7回目の往復書簡のお手紙をありがとうございました。 拝読いたし、小学校に行かれての子ども達と親御さんの様子がとてもわかりやすく伝わってきました。子ども達の声が聴こえるようでした。よい時間を持たれ体験をされましたね。やはり子どもは私達大人にとって先生ですね。大切なことを まっすぐに伝え おしえてくれます。 北原白秋「からたちの花がさいたよ」(岩波少年文庫)の中の詩を読まれたのもよかったですね。子どもは何の構えもなく詩の中にスーッと入っていけますものね。うらやましいくらいに。「からたちの花がさいたよ」の中で私の好きな詩は「ちんちん千鳥」です。 ねむらず一晩中 啼いているちんちん千鳥のことを、寝れず聴いている作者の孤独さが伝わってきます。詩は美しい言葉を羅列することではなく、心を詠むことなのだと、この詩によって気づき知りました。詩人の心(魂)が響き読み手に入ってくるものだと。なので、詩には深みがあり味があり 時として心を開放してくれ力となる。まさに文学です。
昨年11月22日に校区の小学校2年生13名が、生活科の「もっとなかよしまちたんけん」学習で店に来てくれました。7個ほど質問を受け、最後に「イギリスとアイルランドの昔話」(福音館書店)から「ちいちゃい、ちいちゃい」を読みました。後日、先生が子ども達の感想を書いたものを表にし、持って来てくださいました。 その中のひとつを紹介します。「わたしも本がすきで いろいろおしえてもらってもっと本がすきになりました。本をよむとふいんきがあることをしりました。ほんとうにありがとうございました。」雰囲気と書いてありますが、行間を楽しんでいるのですね。当日もそうでしたが子ども達の感想を読み、受けてよかったと思いました。ある子は本屋の小さいドアと大きなドアを描いてくれていて、楽しかったことがその絵からも伝わってきました。
一カ月に一度いらしてくださるIさんは、昨年読まれた本の中で「ねずみ女房」(福音館書店)が特に大切な本となられ、本がお好きなお友達にプレゼントをされました。Iさんは その年 読まれた本でお好きだったのを記してのクリスマスカードを毎年くださるのですが、お友達の「ねずみ女房」の感想も書いてくださっていました。拝読し深く心に沁みられ、この本の本質に出会われてあるすてきな感想でした。本屋として最高のクリスマスプレゼントでした。
年末は27日まで開け、最後の日にいらしてくださったお客様お二人からすてきなお話をお聴きしました。 Nさんは お子さんたち(高校生と中学生)と読んだ「チムとゆうかんなせんちょうさん」(福音館書店)がお好きで、悩みがある時 よくこの絵本を手にされるとのこと。チムが自分で決め船に残り、嵐の中 自分で決めたことを後悔せず向き合う姿に、心が動かされ力をもらうとおっしゃっていました。お子さんが小学生の時、ある先生が子ども達のことで悩まれてあり、「読んでみられませんか。」とお貸しされたそうです。何かふっきられたような気がしたので改めてプレゼントをされたとのこと。 Aさんは雪の積もった12月18日ご主人の実家に行かれた時、4歳のGくんが庭にあるスイートスプリングを見に行き、それを取るためにハサミを借りに家に戻り、再びハサミを手に庭に、実を入れる袋がいるともらいに家に、ハサミと袋を手に木に戻り実を収穫し 家に入って来たと。雪の中を三往復の冒険でした。それに付き合われたAさんが、まるで「くんちゃんのだいりょこう」(岩波書店)のようでしたと。あの絵本を読んでなかったら、くんちゃんみたいと思って付き合っていなかったと思いますとおっしゃっていました。 本が持っている力を感じます。心に響き楽しみながら読まれたことが、自然とご自身の力になっておられます。
昨年感じたことのひとつが、人の動きが個(点)であると。面として広がっていくような動き方をしなくなってきているのではと思われます。何故なのかなと思います。楽しいこと 心に響いたことは自然と人に伝え広がり面となっていくのではと思います。それが感じられなくなってきており、どこか人が閉鎖的になってきているように思えます。 なので、Iさんの「ねずみ女房」を通してのお友達とのことや感想は、その方を存じ上げなくても「一緒。私もそう思います。」という気持ちで面となりその繋がりを感じます。Nさんも「チムとゆうかんなせんちょうさん」をお一人だけの楽しみとせず、気になる方に渡されてあります。Aさんも本のこと お子さんの出来事を分けて考えず重ねられ、ご自身の中で面として広げてあります。 三人の方を含め、人を信頼してある姿に昨年も接することが出来、心を満たされ希望を感じ、本屋の一年を終えました。
2023年1月7日 井上良子
過去の往復書簡の掲載案内
1回目 2021年6月23日
2回目 2021年8月20日
3回目 2022年2月5日
4回目 2022年5月25日
5回目 2022年8月15日
6回目 2022年9月24日
7回目 2023年1月15日
「ありがと書店」さんホームページでもご覧いただけます。