2021年8月29日日曜日

9月の営業日のご案内

9月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

どうぞよろしくお願いいたします。







 

2021年8月20日金曜日

「ありがと書店」さんとの往復書簡   2回目 

井上さん 

 今回は悩み相談を聞いて下さい。
 えほん屋・ありが10匹。(現、ありがと書店)は、細く細く続けて約9年になります。
そんな小さな本屋にもいろいろなお客様にご来店いただきました。
 その度に、いろんな感情が沸いてきます。 
 子どもたちの成長は刻一刻と変化し、又 新しい命が誕生し続けるわけですから、
良い本が届かないことへのあせりもうまれてきます。 子どもたちは1人では来れませんから親御さんも一緒です。本屋ですから購入していただきたいのですが、押し付けてはいけない。でも、良い本に出会うチャンスの場にいらっしゃってるわけですから、届いてくれという気持ちが先走り、言葉が多く説明的になり、結果、親御さんに届いた感触なくがっかりすること しばしばです。 
 子どもの本やさんでは、来店された親御さんへはどんな言葉をかけてらっしゃいますか?
それとも、言葉はなくとも届く何かがありますか? 
 赤ちゃんを抱いて、期待をしてきてくださるお客様がいらっしゃいます。
愛する赤ちゃんに絵本を読んであげたい一心で来られていることがわかります。
私は以前、勤めていた保育園で子どもの成長のことを見て、感じていたこともあり、そのことと合わせて、子どもが本に出逢うタイミングのことなどをお話してみるのですが、赤ちゃん絵本の浸透力は強く、お話しても、大人のただただ買ってあげたい、読んであげたいという欲求を強く感じます。 
 いつから、赤ちゃんに絵本を!という運動が始まったのでしょう。昔は、もっと、赤ちゃんの成長をみながら、徐々に自然に本が用意されていったと思うのです。子どもの成長を、感覚や人肌でなく、教育ありきの頭で育ててしまっているのではないかと感じる親御さんに出会うと、子どもさんの成長を楽しめないでいらっしゃるのではないかと心配になります。
 そんなことを考えていると、文庫という場所は地域の子どもたちの成長を人肌でとらえ、一緒に育ててくれているという安心感のある場所だったのだろうと、その存在の必要性を感じます。 そんな、赤ちゃん絵本を信じて来店される親御さんには、どんな言葉をかけてあげてらっしゃいますか?
 本屋をやっていて一番の喜びは、絵本を読んだ時、ぐーっと集中して楽しんでいる子どもの感性に触れた時です。この子とこの本の橋渡しができたような気がして、うれしくなります。と同時に改めて、届けることの責任を感じるのですが、井上さんは、たくさんの子どもたちに、本を届けてこられていますが、印象に残っているエピソードを教えてください。

 伊藤寛美



 拝復

 ご来店してくださるお客様へのお声かけ 難かしいですね。
まず、どのくらいの年齢のどのような本(プレゼントかご自宅用か等)をお探しかをお聞きします。ご自宅での本を探しておられる時は、今どのような本を読んであるか、今までで気に入った本はどんな本かなどをお聞きします。そうすると、そのお子さんのことが来ていなくても感じられ、好きそうなのを数冊選び出し、簡単な説明をし興味がおありなのを、お時間が大丈夫でしたら読み聞いてもらいます。すべてのお客様にこの様な対応は出来ません。
店を始めた当初は ほとんどの方が人づてでのご来店でしたが、今はネット(ブログを載せているので)を見ていらっしゃる方も多く、求めてあることも多岐にわたっています。
お客様が発せられるものを感じ、それに応えられればと思っています。そういった柔軟さが必要な気がします。そして、お子さんが一緒じゃなくても そのお子さんのことが感じられるかどうかは、子どもの本の専門店として大切なことだと思っています。
「言葉はなくても届く何かがありますか?」と書いていらしてて、書かれてた意味と少し違うかもしれませんが、お客様が本との出会いを見せてくださることがあります。
お客様が重なり、何もお話し出来ないまま、お支払いをしてくださる時「え、この本を選ばれたんだ!」と思うことがあります。本を通しその方に出会えたような感覚です。
同じ本が好きって、あまり多くを言わなくてもわかってくれる友達(親友に近い)のような感じがしますよね。そのようなことは 大人の方にもお子さんにもあり、本屋として嬉しい出来事のひとつです。 
 地域によって始まった時期は異なりますが、20数年前「ブックスタート」が始まりました。赤ちゃんの時から本に親しんでいれば習慣になり 本好きになるのではということで、保健所での検診の時 本が配布されています。
 現在 店に来る子のほとんどが赤ちゃんの時から本を読んでもらってた子です。
店で本を読むと、聞いているけど心が動いているのが伝わってこないのを感じます。
赤ちゃんの時と2歳半から本と出会うのでは、出会い方が違うような気がします。本ですから文学(心が動くもの)として出会ってほしいです。心が動くという出会い方をすると、楽しくて、真綿が水を吸収するように、本の世界に入っていきます。しかし、赤ちゃんから本に出会っている子は、そこが淡泊なような気がします。
 赤ちゃん絵本を求めて来られるお客様によくする話は、いろんな果物が載っている絵本を見せるのではなく、例えば本物のりんごを持って来、その手ざわり・香り・食べた時の甘ずっぱい感じ、そういったことを五感に感じさせてくださいと言います。五感が発達する時期なので、本からではなく本物に 直接 触れさせてあげていってほしいです。
 印象に残っているエピソードはたくさんあります。なので おいおいと。 
 「日本昔話百選」(三省堂)の中に「桃太郎」が入っています。店に定期的に通ってくださってたお客様の4歳の男の子がこのお話が大好きで、寝る前にまず「桃太郎」を読まされ、持って来た絵本を読まされます。とおっしゃってました。 「日本昔話百選」の中の桃太郎は正義感あふれる桃太郎ではなく、働き者でもなく やっと山仕事に行っても、弁当を食べるとき以外は昼寝ばかりしていた、寝太郎型の桃太郎です。この昔話が持っているおおらかさや生きていくことの醍醐味を4歳の子が感じ、毎晩楽しんでいたのですね。子どもって すごいなと思います。現在 その子も20歳頃になっているでしょうか。一度も会った事はありませんでしたけど、「桃太郎」を読む度にその子の 子どもが持っているすごさを感じています。

 伊藤さんは9年続けて来られて どのようなエピソードがおありですか?9年前お好きだった本と 現在 お好きな本と変化はありますか?


 2021年 8月10日    井上良子

2021年7月23日金曜日

8月の営業日のご案内

8月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

よろしくお願いいたします。

8月
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2021年7月18日日曜日

営業日変更のお知らせ

7月26日、27日は営業日になっていますが、

申し訳ありませんが、お休みにさせて頂くことになりました。

よろしくお願いいたします。

 

         子どもの本や 井上良子

2021年6月28日月曜日

「季刊子どもと本」(子ども文庫の会)について

1980年4月30日創刊。年4回発行。現在(2021年6月末)第165号まで出版。 子どもが本に出会う年齢を2歳半からと捉え、2歳半から出会って欲しい 本を紹介している冊子。 この中で大切にしていることは本には質があり、そういった本に子どもが 出会っていって欲しい、と。なので取り上げている本にも質の幅があり、 物足りない本には厳しいほどはっきりとその物足りなさを記してある。 そこには、子どもを一人の人間と見、その子どもに真摯に向き合う編集者 の姿がある。 ぜひ御一読を。                        2021年6月28日

2021年6月27日日曜日

7月の営業日のご案内

7月の営業日はカレンダーの黄色の枠の日にちです。

今月はオリンピックの影響で祭日が変更となっておりますが、旧カレンダー通りの

営業日といたします。

なを、5日(月)、6日(火)は通常営業日ですが、お休みさせていただきます。

勝手をいたし、申し訳ございません。

7月
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2021年6月23日水曜日

お知らせ 不定期往復書簡のこと

八女の「ありがと書店」(「えほん屋・ありが10匹。」改め) 店主 伊藤寛美さんと不定期の往復書簡を始めました。

下記の往復書簡は、「ありがと書店」のホームページでもご覧いただけます。 是非、そちらもにもお立ち寄りください。

https://prayer.jimdosite.com/

往復書簡(1回目)

『季刊 子どもと本』(子ども文庫の会)のこと

”季刊 子どもと本”は面白い。

どれだけたくさんの本が世の中にあるかということを知ってる大人が、人間 が人として生きていくためにはどんな本が必要なのか。そのことを教えてく れるのは生きる力をつける真っ最中の子どもであるということを知っていて、 たくさんの子どもと本に向き合われ、その報告が惜しみなく、丁寧に、優し く、時に厳しく記されていて、本を読む醍醐味は想像で、想像がどんなに楽 しく、生きる力になるかということを教えてくれる本だと思います。この本 で子どもたちの未来に責任を持たなくてはいけないことを痛切に感じました。

私が幼少期に母は自分の声が汚いからという理由で本を読んで聞かせてもら ったことはありません。 代わりに、レコード付きの紙芝居が家にはあり近所の子どもたちと遊ぶ際、 紙芝居の前に座ってもらってレコードをかけ、私は「ピンポ~ン」の音に合 わせてめくっていました。うれしかったのは父が紙芝居の枠を作ってくれて いたこと。

幼少期に何か読んでもらって感動したという記憶はありません。小学校に上 がり、本は国語の勉強の延長線上に用意されていたようなもので、今も実家 には、作文の書き方や伝記集が残っています。

そんな、文学とは無縁の環境で育ったおかげで、本の持つ深い力を感じたり 考えたりしたことはありませんでしたが、保育園に務めるようになってから 絵本のことを考えるようになりました。

保育園での勉強会で本屋さんの読み聞かせを体験し、絵本を読んであげるこ とが子どもの秩序を安定させる助けになるということをおしえてもらい、 そのことがきっかけで特定の園児に読み聞かせをすると、いつもあばれて いるその子が絵本を読んでいる最中は集中して聞いている姿に出会い、絵 本と子どもの関係性に驚き、その存在の意味を感じ始めていたころ「子ども と本」のことを知ります。

そこで紹介されている絵本から、人が強く生きていくために本には大きな力 があること絵本に質があるということなどを教えられ、本と子どもの関係を 深く知るほど、子どもの置かれている環境を無視できないと考えはじめてい ます。

井上さんは「子どもと本」のことをどうとらえていらっしゃいますか?            

                                                                                               2021年4月9日 伊藤寛美

 

拝復

お手紙ありがとうございました。

往復書簡の一回目に「『季刊 子どもと本』のこと」としてくださったこと、とてもうれしく思いましたし背筋が伸びる感じがしました。なぜなら福 岡で「子どもの本や」として本やをしている土台は「季刊 子どもと本」で あり、こども文庫の会のセミナー参加だったからです。そして、その流れで 伊籐さんとの出会いもありました。

 福岡での子ども文庫の会のセミナーに参加する前になりますが、知人宅で そこの家の子が「これ読んで。」と持って来たのが「ちいさいおうち」 (バージニア・リー・バートン文・絵)でした。その子はたしか五歳前だっ たと思います。読み終わって、内容の深さとともに五歳にもならない子が このような絵本を聴けることと、聴けることを信じて作者が語っていること に衝撃を受けました。

その後 福岡での子ども文庫の会のセミナーに参加をし、山本まつよさんが 読んでくださった中に「せんろはつづくよ」(マーガレット・W・ブラウン 文 J・シャロー絵)がありました。聴き終わり心の中で「もう一回読んで ください」と思ったのを覚えています。 私にとって今ある原点の絵本はこの二冊といえるかもしれません。  

子どもの頃の本の思い出として残っていることがあります。 四年生の三学期に福岡市内に転校して来、ほとんどしゃべらない私に気遣い 親切にしてくれたKちゃんが、学校よりの帰り道 宮沢賢治の本のことを熱 く語ってくれたことがあります。多分「注文の多い料理店」か「銀河鉄道の夜」だったのではと思います。 本は積極的に読んではなく、本の楽しさを知らなかった私は「そうなんだ。」と思いながら、本のことよりも熱く語るKちゃん自身の方に心が向いていたと思います。

四十年近くの間に「季刊 子どもと本」とともに取り上げてある本を読み続 け(全部ではありませんが)、扉を一つ一つ開けていくように本の楽しさに 出会ってきました。読み続けてきた本は見えないところで私の力になってき てくれています。

私を気遣ってくれたKちゃんの純粋さとやさしさを、その時以上に 今強く 感じます。本も同じで読んだ時の楽しさ 心動かされたことが、色あせず 時にはその時以上に残っていくように思われます。すぐ形にでないもの目に 見えないものほど 本もの(本質)なのではと思います。

熊本のNさんが数ケ月前、「『季刊 子どもと本』って読者に迎合していない よね。最初のころの思いがブレていない。そして自然と読者を育てていって いる。」とおっしゃていました。周りに迎合し本質がずれてしまうことが多 くある中、本質を見失わずに語ることにより、読者を本質に向き合わせてくれている。それにより私達読者も本質の大切さと、意味 を自然に感じられてこられているように思います。

そのような「季刊 子どもと本」に知的さと健全さを感じます。             

                                2021年6月1日  井上良子